the flames of Paris の宮廷舞踏場面 [舞踏]

先日、2008年にモスクワボリショイ劇場で上演されたバレエ<The flames of Paris>のDVD を購入しました。この公演は、初演のV.Vainonen 版の振り付け・演出を元に、現在のボリショイバレエ団の芸術監督Ratmanskyが新しく改訂したものです。初演版を知らないので比較出来ませんが、革命は、人民にとって前進である事には違いないけれども、その中で、王党派は勿論、人民側にも苦い苦しみを味わう人もいた事を、乾いた眼差しで描いていたように思います。

僕が興味を持って観た場面は、Louis XVI の王宮で繰り広げられた、舞踏会の場面でした。この中で貴族達は、Contre danse を踊りますが、可也Ballet classique の技巧を交えたものでした。また、舞踏会の中で宮廷舞踏家達に依って踊られるバレエシーン<Armide>は、そのままBallet classiqueでした。YouTube でこのシーンを探しましたが、見つかりませんでした。でも、30年程前の記録になりますが、Vainonen 初演版のものと推測される動画を見つけたので、掲載します。



この中の女性ヴァリアシオンは、ヴァイオリンをある程度習った事のある人なら誰でも弾いた事のある、Lully 作曲(とされている)のGavotte の音楽に振り付けられています。ヒストリカル・ダンスの見地から見れば、このヴァリアシオンの振り付けにGavotte の片鱗を全く見つけられませんが、Vainonen 自身、然程史実に基づいた振り付けは必要ないと考えたのかも知れません。この作品が初演されたのが1933年ですから、貴族社会への憎悪がまだまだ根強い時代、またソ連では、ヒストリカル・ダンスの研究が無かった時代に、この場面に正確なヒストリカル・ダンスを再現せよと言う方が、無茶というもの。僕は、この場面の踊りを初演当時の枠の中で考えられた宮廷舞踏のデフォルマシオンとして、観ました。

皆さんは、この踊りを如何お感じなるでしょうか。

arata
nice!(4)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 4

コメント 4

glennmie

arataさん、

覚えていらっしゃるかな・・・以前私が、このガヴォットをテキトーにアレンジしてピアノで弾いていた時に、arataさんがガヴォットの意味と舞曲の捉え方を教えてくださいました。
とても勉強になりました。
舞曲の解釈は私にはとても難しくて、今も、教えていただいたようにi-podで聴きながら歩いたりしています。

この動画のガヴォットはとてもスローでロマンチックで自分のイメージとは随分違いますが、楽しく拝見しました。
ロシアのダンサーはとても美しくて優雅ですね。
by glennmie (2011-08-27 21:59) 

arata

Promusica 様
御訪問・nice 有難うございます。

アヨアン・イゴカー様
御訪問・nice 有難うございます。

glennmie 様
御訪問・nice・コメント有難うございます。
おや、貴女に対しそんな差し出がましい事をしたとは(汗)。舞曲の解釈は、本当に難しいですね。ヨーロッパ人の持っているリズム感を体感する事は、東洋人には難しい事ですから。僕も歩く時、舞曲を思い描きながら、歩いています。
仰る通り、この動画のGavotte は慇懃でロマンティックですね、Gavotteは、もっと快活な舞踏ですから。ロシア革命以後間もなくのロシア人が想像したフランス宮廷の雰囲気を、このGavotte から窺えて、中々興味深いです。

arata
by arata (2011-08-28 06:42) 

arata

りぼん様
御訪問・nice 有難うございます。
by arata (2011-08-29 22:51) 

Viagra vs cialis vs levitra

沒有醫生的處方
compare prices cialis uk http://cialisvonline.com/ Cialis purchasing
by Viagra vs cialis vs levitra (2018-04-15 02:30) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。