Sarabande pour homme [舞踏]

僕は、断続的ですが、ヒストリカル・ダンスと20数年取り組んできました。取り組めば取り組むほど、難しくなり、頭打ちの状態が続いた事もありました。一昨年の<安土城御前演奏会>を終えてから、暫く踊りに取り組む事を止めました。今年の春頃まで、敢えて身体作りも行いませんでしたし、舞踏譜も読みませんでした(鬱病を患っていた所為もありますが)。

でも、春を過ぎた頃から、バロック舞踏に取り組む気持ちが湧き始め、踊りのトレーニングを少しづつ再開しました。踊りのトレーニングを再開して、改めて感じた事は、シンプルな動きが、よりバロック舞踏を豊かに表現出来ると言う事でした(勿論、バロックですから、装飾的動作も必要ではありますが、それも必要不可欠な場合に用いられるべきです)。舞踏譜を、改めて深く読み直すと、舞踏譜には、非常に沢山の情報が書き込まれている事が判りました。

17・18世紀、バロック舞踏は、<Belle Danse>と呼ばれていました。その<Belle Danse>の代表的舞踏と見做されていた舞踏が、<Sarabande>です。この舞踏は、ややゆったり気味のテンポの3拍子の音楽に乗って威厳・高貴さを持って踊られます。また、この舞踏は、ソロでもペアでも踊られますが、高度な技術を踊り手に要求するので、可也達者な舞踏技巧を持つ人でなければ、中々上手く踊る事が出来ません。なので、宮廷人の中でも踊りの達者な人達か職業舞踏家達によって<Sarabande>は踊られました。

もうそろそろ、今迄勉強してきたバロック舞踏の纏めをしたいなと思って、踊りたい作品をリサーチしているところです。勿論、踊りたい作品に<Sarabande。も含まれています。YouTubeで男性用の<Sarabande>の動画を探しましたが、中々なく、漸く見つけたのが、下の動画です(最後まで踊りきっていないのが残念です)。僕の持っている舞踏譜集の中に入っている作品です。



その他に、男性ソロ用のLoure<L'aimable vainqueur>や、男性ソロ用の<Chaconne de Phaeton>、男性ソロ用の<Folie d'Espagne>、また特定の舞曲ではない音楽によって踊られる幾つかの<Entree(Tragedie liriqueやOpera balletの中の一つのシーンの中で、舞踏家の技術と表現力を見せる舞踏)>等々を踊りたいなと思っています。

<L'aimable vainqueur>は、舞踏の動画がなかったので、音楽のみの動画です。



下の動画は、<Chaconne de Phaeton>です。僕の好みの踊り方じゃないけれど、これしか動画がなかったので、掲載しました。



これとは決めていませんが、下の動画が、<Entree>の例です。



或る事柄を取り組み続けられるって、本当に幸せな事だな、とつくづく感じます。

arata

Folie d'Espagne [舞踏]

僕が、踊ってみたい踊りは幾つかありますが、その一つに、<Folie d'Espagne> があります。音楽としての<Folie>は、どの<Folie>であっても、メロディは略同一です。なので、どの作曲家が書いた<Folie>でも、踊る事は可能です(但し、variation が4/4 或いは2/4 で書かれている場合、それに合わせて踊る事は難しいです)。

<Folie>を用いたdanse baroque のデモンストレーションの動画を見つけたので、貼付します。



<Folie d'Espagne>には、女性用と男性用の2つの振り付けがあります。この動画では男性舞踏家が、女性用と男性用の振付を混ぜて踊っています。

衣装を着けた完全版女性用<Folie>の例の一つの動画も見つけましたので、貼付します。舞踏家は、Ana Yepes 女史です。



<Folie d'Espagne>は、18世紀に於いて、人気の高い音楽・舞踏だったようで、多くの作曲家が音楽を作り、舞踏家が振付を作りました。僕が持っている<Folie>の舞踏譜は女性用・男性用合わせて16 個位(variaton の数)ですが、もっと、多くの数のvariation の舞踏譜が残されているらしいです。また、舞踏家が、カスタネットを、オプションで使う事もあります(現在、カスタネットを独学中)。いつか、<Folie d'Espagne>を、僕の納得の行く方法で踊ってみたいです。

arata

スペイン・バロックの<Chaconne> [舞踏]

YouTubeで実に面白い<Chaconne>の動画を見つけました。同じ頃のフランス・バロック舞踏の雅な<Chaconne>とは、全く雰囲気が異なります。使われているステップは、フランス・バロック舞踏のステップと似ていますが、同一ではありません。身体の重心の場所も違います。
視聴している内に、この動画の方が、元々の<Chaconne>の姿なのかも…と思えてきました。



<Chaconne>と言うと、どうしても Bach の<無伴奏ヴァイオリンの為のパルティータ>の厳格な雰囲気の<Chaconne>を連想していしまいますが、元々の<Chaconne>が、この動画のような物だったとするなら、原型の<Chaconne>から、どのような変遷を経て、18世紀の<Chaconne>の姿になったのかを知りたくなりますね。

arata

Entree d'Apollon [舞踏]

YouTube を色々検索していたら、2003 年に行われた Ana Yepes Company の日本公演の動画を見つけました。演目は、<Entree d'Apollon>。この作品は、J.B.Lully が作曲をした王宮バレ<Le Triomphe de l'Amour>の中で踊られるもので、男性ソロ用に作られた舞踏の中で、最も難しい作品の一つです。


       
この動画で踊っているのは、Nicolas N'guyen 氏。彼は、フランスのバロック舞踏家の中でも、高いランクにおられる舞踏家です。彼の踊りは、僕の理想の一つであり、また、目標でもあります。彼の踊りから学ぶ事は沢山あります。 どれだけ難しい Pas を踏んでもぶれない身体の軸・足の動きの敏捷性・身体の各関節の柔軟さ・軽快さと重厚さを兼備している踊り・流れるような動きの中に、はっきりと見て取れるアクセント感とフレーズ感…。

バロック舞踏を学ぶ者にとって、踊りのアクセント感・フレーズ感をはっきりと意識し、把握する事はとても大切な事です。ステップを踏む事に意識が捉われてしまい、音楽をBGMにしてしまう惧れがあるからです。

バロック舞踏の踊りのフレーズは、音楽のフレーズと必ずしも一致しません。ずれる場合もあるのです。そのズレを意識し、踊りと音楽のフレーズが一致する箇所まで、如何踊るか、これが、バロック舞踏を踊る者に常に課せられた課題です。

<音楽と踊りの一致>…よく耳にする言葉ですが、正しく<言うに易く、行うに難し>です。少しでも、向上出来るよう、音楽と踊りの性格を勉強しようと思います。

Entree d'Apollon.jpg

arata

付記
YouTube の動画の貼り付け方を、何方か教えて下さいませ。

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